【】「あのバカ、何やってるんだ!」サインツとの接触に、珍しく声を荒げたピアストリ【F1第11戦無線レビュー(2)】
7月31日
2026年F1第11戦ハンガリーGP。レース後半、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とカルロス・サインツ(ウイリアムズ)がポジションを争っていた。アロンソに先行を許したサインツは、その直後に背後に迫っていたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)と接触。そこでピアストリは無線で声を荒げて怒りをあらわにし、いつも冷静なピアストリにしては珍しい様子を見せた。ハンガリーGP後半を無線とともに振り返る。
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レース折り返し点を過ぎた34周目。ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は6番手を周回。30周目に2度目のタイヤ交換を終え、このままチェッカーまで走り切る予定だった。
ハミルトン:このまま行ったら、レース終盤に苦しくなる?
カルロ・サンティ:僕らは(マックス・)フェルスタッペンと戦っている。タイヤマネージメントが重要だ。
この時点でフェルスタッペンは2番手。しかし41周目にピットに向かい、ハミルトンの後ろでコース復帰することになる。
37周目。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に抜かれたばかりのカルロス・サインツ(ウイリアムズ)が、背後のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に気づかず。コーナーでインを閉めて接触してしまう。
ピアストリ:あのバカ、何やってるんだ!
冷静なピアストリには珍しい罵声が飛んだ。
ガエタン・イエゴ:青旗だぞ。
サインツ:バトル中だったんだ。後ろのクルマなんて、全然気が付かなかったよ。
トム・スタラード(→ピアストリ):クルマは問題ない。前のアロンソは青旗を振られているはずだ。
サインツは5秒ペナルティを科された。しかしここで大きくタイムロスしたために、39周目にピットインしたチームメイトのランド・ノリスの前にピアストリは出ることができなかった。
40周目
スタラード:順位が入れ替わったのは、サインツのせいだ。
ピアストリ:いやあ……まあ分析してくれてありがとう。
対照的にノリスはこれで勢いづき、首位に立ったアントネッリに迫る。
42周目
ウィル・ジョゼフ(→ノリス):アントネッリをいい感じで捕まえているぞ。
一方、ジョージ・ラッセル(メルセデス)に迫られている7番手アイザック・ハジャー(レッドブル)は、周回遅れの処理に手間取り苛立ちをあらわにしていた。
ハジャー:おい、動けよ! 今日はみんな、何やっているんだ。譲ってくれよ。

ラウラ・ミュラー(→エステバン・オコン):1秒3後ろにラッセルよ。
47周目
ニコ・ヒュルケンベルグ:X○△X
スティーブン・ぺトリック:何だって?
ヒュルケンベルグ:X○△X

ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)の無線に不具合が出ているようだった。
6番手を周回するシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、ペースが伸び悩んでいた。
ルクレール:アドバイスくれるかな。クルマの調子が変なんだけど。
ブライアン・ボッツィ:オーバーヒートだね。リズムを戻せば問題ない。
ルクレール:どのリズム?
ハミルトン/サンティ組に比べると、ルクレール/ボッツィ組のやりとりは今ひとつギクシャク感が否めない。
48周目
セルジオ・ペレス:サスペンションがぶらぶらしている感じだ。
左フロントのサスペンションが壊れたようだった。ペレスは減速状態でピットに向かい、そのままリタイアとなった。
46周目にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を抜き首位に立ったノリスは、みるみる差を広げていった。しかしまだチェッカーまで20周近くある。担当エンジニアがタイヤについて指示を出した。
52周目
ウィル・ジョゼフ(→ノリス):ランド、ターン1のロックアップに気をつけてね。タイヤが終わってしまうから。
一方アントネッリは、タイヤが限界に近づいていた。
ピーター・ボニントン:キミ、バランスチェックだ。
アントネッリ:バランスは問題ない。どうして最後まで行けないの?
ボニントン:もうタイヤが無理だ。
52周目にピットイン。6番手に後退した。
アントネッリ:今、何位?
ボニントン:P6だ。でもタイヤのオフセットが大きいから、2位までいけるぞ。
55周目。11番手のリアム・ローソン(レーシングブルズ)は、ペースに勝るヒュルケンベルグに迫られ、必死に周回遅れを抜こうとしていた。
エルネスト・デジデリオ:前はベアマン。もうすぐ青旗が出るはずだ。
ローソン:あいつには、ずっと青旗を出し続けてほしいね。
56周目。2番手周回中のピアストリがスローダウン。コース脇にマシンを止めた。
ピアストリ:ギヤボックスが壊れた。
スタラード:安全な場所にクルマを止めろ。
ジョゼフ:バーチャルセーフティカー(VSC)が出た。ステイアウト、ステイアウトだ。
ノリス:いや、ソフトを履きたい。
ジョゼフ:わかった。そうしよう。
ノリス:ソフトで行く。
ジョゼフ:了解。ボックス。
ノリスはタイヤを交換し、首位を維持したままコースに復帰した。
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):ステイアウトだ、マックス。セーフティカーが出た時だけ、ピットインだ。セーフティカーの時だけだぞ。
ノリスに続いてハミルトンがピットイン。
サンティ(→ハミルトン):アントネッリが近づいてるぞ。
ハミルトンが先行する。しかしアントネッリは、自分が先にセーフティカーラインを踏んだと主張した。VSC中だったため、それが事実ならハミルトンは順位を譲らなければならない。
アントネッリ:僕が前だったよね。
ボニントン:チェックしている。
ハミルトン:問題ない?
サンティ:チェック中だ。
アントネッリ:確かに僕が前だった。
ボニントン:ああ。その通りだ。今、話している。
サンティ:順位を譲るんだ。
ハミルトン:了解。

ハミルトンは4番手に後退し、さらにピットレーン速度違反で5秒ペナルティとなった。
58周目
アジャ:青旗だぞ! 青旗だってば!
60周目
ノリス:コース上はデブリだらけだ。追い抜きの時、注視してくれるかな。
ジョゼフ:了解。
周回遅れのレーシングブルズ2台が、青旗などお構いなしで激しくバトル。背後のフェルスタッペンはアントネッリに差を詰められていた。
フェルスタッペン:あいつら、ペナルティだよ。バカげてる。
62周目
スティーブン・ぺトリック(→ヒュルケンベルグ):前のリンドブラッドは、古いハードだ。
63周目、ターン2でクロスラインを取り、抜き去ることに成功。9番手に上がった。
66周目
ジョゼフ(→ノリス):ランド、出口の縁石には乗るな。オスカーのリタイアは、おそらくそれが原因だ。
68周目
サンティ:ピットレーン速度違反で5秒ペナルティだ。
ハミルトン:またかよ。ペナルティ出しまくるよね。
サンティ:後ろとのギャップは4秒8だ。
ハミルトン:ギャップがどうなったか、アップデートしてね。
サンティ:4秒3。あと2周だ。
ハミルトン:向こうの方が速いね。
5秒以内のリードを築けず、ハミルトンは5位に終わった。
ノリスは15秒以上のリードを築いて、今季初勝利。チャンピオンになってから最初の勝利だった。
ジョゼフ:よくやった。
ノリス:信じられないくらい、すごいクルマだった。みんな、本当にありがとう。またこの場所に戻って来れて、最高の気分だよ。思った以上に時間がかかったけどね。みんな、愛してる。

ペトリック:P9、P9だ。週末ずっと素晴らしかったし、レースも完璧だった。戦略をきっちり遂行してくれた上に、終盤のリンドブラッドのオーバーテイクは、最高だったぞ。
ヒュルケンベルグ:ありがとう。よかった。みんなに感謝だ。
2年目ボルトレートの成長が著しく、ここまでチームの獲得ポイントはすべてボルトレートが稼いでいた。それだけにシーズン11戦目の初入賞には、さぞホッとしたことだろう。
(Text : Kunio Shibata)


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