2026年F1第11戦ハンガリーGP レーススタート

【】ドライバーらの懸念を無視した新規則導入に、元F1ドライバーが失望「この展開を予想できたのに誰も耳を傾けなかった」

8月5日

 元F1ドライバーのデビッド・クルサードはF1の2026年の大規模なレギュレーション変更について辛辣な意見を述べ、F1の新時代には「少しがっかりしている」と断言し、これまでに発生した問題は完全に予測可能なものであったと主張した。

 3月の開幕戦オーストラリアGPは、F1の根本的な技術規則の変更を試す最初の機会となり、その結果は即座に議論を巻き起こした。電気エネルギーの供給が尽きたことによってストレート上で失速するマシンの姿が見られ、バッテリーのマネージメントが突如としてF1における最大の論点のひとつとなった。クルサードにとって、その光景は痛いほど予想通りのものだった。

2026年F1第1戦オーストラリアGP 決勝スタート
2026年F1第1戦オーストラリアGP 決勝スタート

 ポッドキャスト番組『Up to Speed』に出演したクルサードは、新しいレギュレーションについて、最近行われた世界的なスポーツイベントを例に挙げて次のように語った。

「新しいレギュレーションは、まるでワールドカップのハーフタイムショーのようなものだった」

「ロードローラーが迫ってくるかのように新規則が導入されたことを考えると、少々がっかりした。映画のコメディのシーンで、ロードローラーが迫ってきて、登場人物が『ああ、轢かれてしまう!』と言うことがあるだろう。その直後のシーンでも、その人物が時計を見ながら『轢かれてしまう!』と言っているやつだ」

 クルサードは、パドック内部からの警告の声は大きく、長く続いていると語った。

「ドライバーらやエンジニアたちから『これはまずいことになるぞ』という声が上がっているなかで、新しい規則が導入された。他の人たちは黙ったままだった。そしてメルボルンに到着して、『ああ、特定のコーナーに向かうところで減速しているな』と気づいたわけだ」

カルロス・サインツ&アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)
2026年F1第1戦オーストラリアGP カルロス・サインツ&アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)

■マイアミでの規則変更を経て、直近5戦で5人の勝者が誕生

 ストレートの途中で明らかに減速するマシンの様子は、第4戦マイアミGPを前に緊急の規則変更を促すことに繋がり、2028年に向けたさらなる改訂もすでに計画されている。シーズン中の改善によって不満が完全に解消されるわけではないが、クルサードは、迅速な対応を見せたF1は評価に値すると認めた。

「あの時の失望から立ち直り、マイアミ以降はいい流れだと言えるだろう」

「以前話した通り、直近の5つのグランプリで5人の異なる勝者が生まれたという事実は、変化に富んだシーズンであることの証だ」

「しかし、こうした展開は予想できたのに、誰も耳を傾けていなかったように感じている。未来を徹底的にシミュレーションするようなスポーツにおいて、実際に起きたことに対して対応しなければならなかったことは少し残念だった」

 クルサードのコメントは、F1の洗練されたシミュレーションツールが、ドライバーやエンジニアらがシーズン開幕のずっと前から指摘していた問題を防ぐことができなかったというパドック全体の広範な不満を反映していることは間違いない。クルサードが本当にがっかりしたのは、2026年の規制が最初のハードルで躓いたことではなく、証拠を見逃すことができなくなるまでF1が彼らの警告を無視していたようだということだ。

デビッド・クルサード
2026年F1第11戦ハンガリーGP 『Channel 4』のF1コメンテーターを務めるデビッド・クルサード


(Text : autosport web)